2014年08月03日
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サポート終了からしばらく経過して分かった、WindowsXPの功罪


XPlogo.jpg WindowsXPのサポート期限は、とっくに切れているが、今でも多くの企業・団体にて利用されていることが判明している。つい最近では、この7月にも、東京電力が数万台という規模のWindows XPを、これから先数年間も利用するということがニュースになったばかりだ。




 東京電力は、公式に電力供給に関する基幹システムについては、外部ネットワークから切り離され、独立しているとして、安全性をアピールしているが、東日本大震災以降、様々な問題が明らかになっていることから、これらを文面どおり受け取ってはもらえないだろう。

移行が進まないわけは?


 これらは、残念なことに東京電力のみにとどまることではない。海外の事例となるが、「TechEd North America 2014」カンファレンスに参加した100以上の企業のうち53%が、いまだにWindows XPを社内で使用していることを認めているという。
(参考:http://japan.zdnet.com/os/analysis/35051717/

 一般的な問題として、移行が進まない特に大きな原因は、重要な処理が行われるプログラムが、WindowsXPにて動作しており、これらが新OSに対応できない又は、対応することが証明できないことがあげられる。実際に上記の調査でも、もっとも多い原因として29%がアプリケーションの互換性をあげた。

 新たな環境にプログラムを移行し、その互換性を重要な業務で使用してもよいと判断できるレベルまで高めることは、予想外に人手とコストがかかるということだろう。

もう、人手が足りないのか?


 IT業界は、今や一つのブラック業界という目でみられている。「きつい、帰れない、給料が安い」という「3K」に加えて、今では「規則が厳しい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない」の「7K」とまで言われてしまっているのだ。学生たちから見放された業界には、新人が入社せずに、退職者が今後増えていくことで、ますます状態は悪化していく可能性がある。約4割の企業は、若者のIT業界離れを実感しているという。

 最近では「2015年問題」(2015年から数年間において、国内企業の業績が急回復したことにより、凍結されていたIT投資が集中し、巨大なプロジェクトが集中することによって引き起こされるIT要員不足のこと)が話題にのぼっているが、実際のところ今でもIT関係の要員が不足しているという声が、あちこちで聞こえてきている状況であり、それらも無関係ではないと思われる。

 WindowsXPは、安定して稼動したOSであり、あまりにも長く一線級として利用され続けてしまった。そのことから、数多くのソフトウェア資産がWindowsXPでの稼動を求められ、そこに集中してしまったということが、WindowsXPからの移行を難しくしていることの背景にあると思われる。

開発元と利用者の立場の違い


 一方、利用者としては安定して稼動しているOSを、なぜ開発元は長くサポートしてくれないのかという気持ちがあるだろう。マイクロソフトは、個別に有償サポートは行っているようだが、それを利用できる企業・団体は、大手に限られると思われる。しかし、開発元は次々に新しいOSを買ってもらえないと、その規模を維持できないという問題がある。

 ソフトウェアは、物理的なハードウェアと異なり経年劣化しない。もちろん、時がたつと新たな脆弱性等や不具合は発見され、相対的な安全性は低下するだろうが、その機能は維持され続ける。これにより、ある程度の機能を保有していれば、利用者は費用と引き換えに、それ以上の機能を本質的には要求しなくなるだろう。正直、筆者は個人的にはマイクロソフトのOffice製品について、これ以上の機能は不要だというか、使い切れない状態だ。

 おそらくこれらの問題認識から発生してきたのが、ソフトウェアの永続的な利用権を渡す方式を見直し、使用と引き換えに費用を請求するOffice365のようなビジネスモデルなのだと思われる。OSもこのようにすれば、もっとライフサイクルを長くできるかもしれない。しかし、OSに関しては、現在のスマートフォン、タブレットとの競争において、Googleが無償でOSを提供するかぎり、マイクロソフトも、OSに課金するということはしづらい状況となってしまった。(Windows8.1 with Bing等にみられるように)

 開発元と利用者が今の状況をどのように考えて、今後の情報システムの投資をすすめていくのかは、興味深いものがある。今、多くの利用者が存在するWindows7も、WindowsXPと同様な販売形式をとっている限り、サポート終了とは無縁ではない。将来的に開発元と利用者が、双方の利害関係のギャップを埋めるビジネスモデルを構築できるのかどうかが、この問題を解決するためのポイントになるかもしれない。


posted by なおゆみ at 22:39 | Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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